早稲田メンタルクリニック院長ブログ

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絶好調から一転、再び起き上がることができない

絶好調から一転、再び起き上がることができない
会社員Oさん(35歳、男性)の場合
うつ病の薬を飲み始めてから調子がずいぶんよくなりました。うつのときと違って疲労を感じることなく残業も続けられました。誘われた飲み会には必ず参加し、二次会にも欠かさずつきあいました。気前よく部下におごることも増えました。以前にはなかったぐらいよくしゃべり、気分も爽快でした。睡眠時間も3時間もあれば、ばりばり働くことができ、はっとするような素晴らしいアイデアが次々と浮かび、もう「うつ」は完全に治ったと思ったのです。他の人からも、病気の前よりも元気になって、しゃべりすぎるぐらいだとよく言われました。
ところが、このような状態が続いた数カ月後、私はまた、朝ベッドから起き上がることもできなくなってしまいました。
薬をもらえば、また元気になると思って、以前に通っていた病院に行ったのです。そこで、これまでの経過を話したら、「双極性障害」の可能性があると言われました。私自身、気分が絶好調のときは、これが病気だなんて思いもしませんでした。
今は、薬をきっちり飲むようにしていますので、大きな気分の波はかなり治まっています。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/case/case06.html

 

皆さんの誤解が多いのが、いわゆる「うつ病」は50代前後の中高年の発症が多いものです。20代から30代の「うつ病」はこのケースのように「躁うつ病双極性障害)」であることの方が多いです。これは統計学的に示されているものです。

抗うつ薬によって、躁状態になる人も多く、また自殺のリスクも高まります。

当院では若い人に抗うつ薬の処方を注意していますが、上記のような理由があるからです。

当院で若い人に抗うつ薬を出すケースは、強迫性障害や月経前気分不快症候群などの一部に限っています。