カウンセリングにおける教科書や論文は、その流派の差、また書き手の出身地や文化、文体の違い、そして心理的な水準の扱う深さの違いによって、全く違うものを扱っているように思えます。
どのような条件を満たせば、同じ志をもった治療技法と言えるのか?
この二人の書き手は、どこまで同じものを共有し、志を同じくしているのか?
「両親」は仲が悪いという空想は、すべての子供が抱くものです。ある点を境に、そうではないと気づくものでもあります。
臨床をしていると、初めのころは全く別々の二人に感じていたものが、同じことを言っているようにも思えてきます。
治療において大事にしなければいけないもの、人間にとって真実とよべるもの、そういうものは決して多種多様なものではないからです。