前回の記事を書きながら、私自身が男性であることで「35歳までに子供を産む」という問題を、どこまでリアルに考えられているのか、反省しました。
治療者の性別、年齢というのも、とてもデリケートな問題です。
治療者の人間性ほどは重要な要素ではないかもしれませんが、患者さんとの関係を左右する、大切な要素でしょう。
治療者として大切なことは、自分の立場をよく知ることなのだろうと思います。
そして、その逆の立場になって考えてみること。
私が男性ならば、やはり女性としての立場に立ち、一から考え直す習慣を持つべきですし、私が個人主義者ならば、共同体に属するすばらしさ、価値について、その立場から考え直すべきでしょう。
準備として、そのような空想のディスカッションを絶えず、すべきだろうと思うのです。そのようにしてもなお、価値観の中立を保つことができず、自分の偏見性を意識しながら、のぞまなくてはいけません。
といいつつ、当院には女性の心理士が多数在籍しております。
彼女らは逆に、男性の治療者とはなりえないわけです。うまく連携しながら、やっていければと思います。