早稲田メンタルクリニック院長

早稲田メンタルクリニック院長のブログです。https://wasedamental.com

問題解決スキル「暴露療法」

○不安は回避によって増強される

 

 不安を感じた時に、回避すれば、一時的に不安は落ち着きます。しかし、次に同じ問題が起きた時、以前より強い不安を感じてしまいます。回避は短期的には良い解決手段ですが、長期的には良い解決手段ではありません。不安には立ち向かっていくことが大事です。

 

 例えば

・新幹線に乗るのと不安になるので、乗るのを避けていた。次第に飛行機、急行の電車が乗れなくなり、また各行き電車にも乗れなくなった。

→薬物治療を受けつつ、少しずつ電車に乗るようにしていった。徐々に慣れ、長い距離も乗れるようになった。

・人前に出るのが苦手で、避けていた。苦手意識が強くなり、人と話せなくなった。

・汚いものに触るのが苦手で、次第に誰かが触ったかもしれないものは触れなくなった。

・失敗することが苦手で、次第に失敗をさけるために、行動することが減った

など。

 

 不安から逃げることもよいですが、立ち向かうことも大事です。

 今回は「曝露療法」という立ち向かい方を学びましょう。

 

 

○長期中期短期目標をつくる。

 

 長期中期短期の目標をつくりましょう。ここでは簡単に、5年後、1年度、半年後を目安に目標をたててみることにします。

 

5年後

薬も必要とせず、飛行機をはじめ、どんな乗り物にも乗れる

 

1年後

薬は使いながら、飛行機もなんとか乗れる

 

半年後

通院を続け、内服継続。急行も乗れるようになってきた。

 

 

5年後

 

 

1年後

 

 

半年後

 

 

 

○不安階層表をつくる

 

 あなたにとって、不安なものを上位に、比較的耐えられるものを下位に書いてみてください。

100

飛行機に乗る

80

新幹線で東京から博多まで行く

60

新幹線で東京から大阪まで行く

40

混んでいるときに急行の電車に乗る

20

急行の電車に乗る

 

 

100

 

 

 

80

 

 

 

60

 

 

 

40

 

 

 

20

 

 

 

 

 

○曝露療法を行う

 

 曝露療法とは、不安階層表の下位のものから身体を慣らしていき、最終的には上位のものに挑戦していくという方法です。いきなり上位からはじめてはいけません。不安に負け、自信を失う可能性があるからです。

 できるだけ簡単で、不安を感じにくいものからスタートし、成功体験を重ねていくことで、上位のものを挑戦していくという、問題解決方法のひとつです。

 できるだけ細かい階層表をつくり、日々のスケジュールの中に慣れのトレーニングを組み込んでいってください。