早稲田メンタルクリニック院長ブログ

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カウンセリングは保険診療で行えるのか?

2020年度の診療報酬の改定案が正式に発表されました。

2018年から国家資格化した公認心理士ですが、対面1対1のカウンセリングが診療報酬に絡んだのは今回が初めてです。

 

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【小児特定疾患カウンセリング料】
[算定要件]
イ 医師による場合
(1) 月の1回目 500点
(2) 月の2回目 400点
公認心理師による場合 200点
注 別に厚生労働大臣が定める基準
を満たす小児科又は心療内科を標
榜する保険医療機関において、小
児科若しくは心療内科を担当する
医師又は医師の指示に基づき公認
心理師が、別に厚生労働大臣が定
める患者であって入院中以外のも
のに対して、療養上必要なカウン
セリングを同一月内に1回以上行
った場合に、2年を限度として月
2回に限り算定する。ただし、区
分番号B000に掲げる特定疾患
療養管理料、区分番号I002に
掲げる通院・在宅精神療法又は区
分番号I004に掲げる心身医学
療法を算定している患者について
は算定しない。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000593388.pdf

 

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 公認心理士が子供のカウンセリングをする場合、月2回まで、1回20分以上と明記されてます。診療報酬は200点。 短すぎる、安すぎる気もしますが、仕方がないのか? 公認心理士のカウンセリングの診療報酬はここを基準に徐々に拡大していくのでしょう。

 

さて、認知行動療法については、医師ではなく看護師が行っても診療の点数に絡んできます。この場合は、1回350点です。

 

 

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I003-2 認知療法認知行動療法(1日につき)

  1. 1 医師による場合
    480点
  2. 2 医師及び看護師が共同して行う場合
    350点

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者について、認知療法認知行動療法に習熟した医師が、一連の治療に関する計画を作成し、患者に説明を行った上で、認知療法認知行動療法を行った場合に、一連の治療について16回に限り算定する。

2 精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする。

3 診療に要した時間が30分を超えたときに限り算定する。

認知療法認知行動療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、所定点数に含まれるものとする。

http://shirobon.net/30/ika_2_8_1/i003-2.html

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さて、東京では一説によると心理士の平均時給が1300円、看護師の平均時給が1800円とあり、この報酬単価だと、なかなかビジネスとして成立させにくいという背景があります。だいたい、売り上げの3~4割というのが人件費の目安だからです。

 

もし認知行動療法で、心理士が行った場合350点とかであれば、ビジネスとして成立するのかな、と思います。

 

いずれにせよ「薄利多売は地獄への道」ですので、国にはきちんと稼げるモデルを提示していただきたかったな、というのが個人的な意見です。