早稲田メンタルクリニック院長ブログ

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うつ病の治療ついて解説します

うつ病の治療について解説します

 

うつ病とは】

 原因不明の落ち込み(これをうつ状態と呼ぶ)を数か月間過ごしたのち、回復する。また再び落ち込む時期を過ごし、回復する。というサイクルを繰り返す病気です。

 脳病と考えられていますが、病態メカニズムはよくわかっていません。

 中高年発症が多く、人口の1~2%が発症します。

 うつ状態自体は躁うつ病適応障害、死別反応などでも起きる状態像で、人口の10%が体験すると言われています。

 

【治療法】

 うつ病の経過は雨雲の動きに似ています。

 過ぎ去るをの待つしかありません。
 雨雲が過ぎ去るまでの間、畑仕事をするよりも諦めて安全な場所にいた方がよく、薬の治療は雨雲が過ぎ去る時間を早めたり、雨量を減らすようなものだと考えてください。

 

【薬の使い方】

抗うつ薬1種類目を試す

薬の選択については、RCTのメタ解析を考慮すること(MANGA study など)
1か月以上かけて効果判定

抗うつ薬2種類目を試す

1か月以上かけて効果判定

抗うつ薬+増強療法を検討する

 

【その他】

  • 希死念慮が切迫しているときはmECTを検討
  • TMSの効果は? ただ料金が高い
  • CBTなどの精神療法も効果あり
  • BZD系は症状緩和に役立つが、対処療法的
  • 3割の人は難治性の鬱病で、薬が効かない
  • しかし、休養と時間経過で症状は改善する(薬は時間を早めるものと割り切る)

参考

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)32802-7/fulltext