早稲田メンタルクリニック院長ブログ

早稲田メンタルクリニック院長のブログです。https://wasedamental.com

ブログ

ガキ夫という言葉について

allabout.co.jp こういう言葉もあるんですね。 2015年頃にできた言葉で、あまり普及はしなかった?ようですが。 ただ、夫が妻に比べ、家庭に対して責任感が乏しく、子供のように振舞う、という相談はよく受けます。

万能感に包まれた組織カルチャー

お客さんに「やる気」や「夢」などを伝え、それを主力商品として扱う会社はありますが、そこにはある種の万能感があります。それらを商品として扱わなくても、やはり会社や組織というものは、個人を超えた存在でなくてはその存在意義が疑われますから、所属…

不老不死の夢

不老不死の夢が語られ、すごくたじろいでしまったことがあります。 老いることのない、永遠の若さを求められた時、どのように返答すればよいのでしょう。 「人はいつか死ぬ、なので今を精いっぱい生きる」という答えは、物語などでよく聞かれますが、もちろ…

現実的な問題について話し合うのか、自己理解を深めるための内省を進めるのか

カウンセリングではどのようなことを話せばいいのですか、とカウンセリングをはじめて受けられる方にはよく聞かれるのですが、「思いついたこと」を自由に話してもらえれば、それでいい、という風に答えています。 自由に話されたものを聞きながら、治療者は…

プリンターのゴジラ感

Wi-Fiだと接続が悪いので、有線接続に変えました。 そのためプリンター移動、ルーターを重ねる。 あれ? このフォルムのゴジラ感、分かりますか?

診察券、冬

診察券の冬バージョンができました。 カードが古くなり、交換希望の方は気軽に申し出てください。

自殺はなぜいけないのか

自殺はどうしてダメなのか、と言われたとき、精神医学は答えを用意していない。 自殺=疾患による行動ととらえ、自由意思のある健康な人間が選択するものではない、という定義にも似た前提から、医学的議論をスタートさせているからだ。 カウンセリングの世…

恋愛の話

こういう仕事をしていると、毎日いくつもの恋愛・男女の話を聞きます。 性欲という本能的なものも絡みますし、情緒的な感情の交流があります。 一方で、他人が暮らすうえでの、ルールや制度があります。 子供を産み、育てるというのは、人間にとって最も生産…

教科書や論文、そして臨床について

カウンセリングにおける教科書や論文は、その流派の差、また書き手の出身地や文化、文体の違い、そして心理的な水準の扱う深さの違いによって、全く違うものを扱っているように思えます。 どのような条件を満たせば、同じ志をもった治療技法と言えるのか? …

カウンセリングは日常生活の延長にあるべきか

カウンセリングは日常生活の延長線上にあるべきか それは治療者の立ち位置によって、この答えは違うものになるでしょう そもそも、カウンセリングは治療者と患者さんが診察室で行う作業であり、日常生活で話される会話とは質も量も異なります。治療者は基本…

6階の工事

6階を工事しています。 10月上旬にオープンし、診察室を増やそうと思っています。 そうすれば、もっと多くの方にカウンセリングを提供できるからです。 当院の理念は「カウンセリングを中心とした精神科治療を普及させること」であり、その夢に一歩近づきま…

良いものを受け取れるのか

良いものを受け取れるのか、それはとても難しい問題だと思います。 愛情が注がれても、素直に受け取ることができない。 甘やかされ、自分をダメにされてしまうような、恐怖。買い殺されてしまうような恐怖。 森の中で、お菓子の家を見つけたら、それは引き返…

知りたい、という痛み・理解したふり

相手を理解する前に、相手を知ろうとする行為が必要です。 しかし、知ろうとする行為は侵襲的なものでもあります。質問された相手は、自分の恥部をさらされた気になるかもしれないですし、自分がそれについて何も知らないことを気づかされるかもしれません。…

再発見なのか、新しい体験なのか

カウンセリングルームでは過去の体験を振り返ります。 過去の体験というのが、幼少期のころのものなのか、それとも10年前のことなのか、数か月前のことなのか、それとも今週あった出来事なのか、いずれにせよ過去の体験を振り返り、それらが語られます。 そ…

すずしくなってきましたね

涼しくなってきましたね 秋らしくなってきたように思います。 季節の変わり目は体調を悪くする人が多いので、気を付けてください。

愛されていないという気づき

自分が愛されていないということに気づいたとき、足元の地盤が崩れるような感覚を覚え、孤独を感じます。 「いいや、そんなことはない」と思い直すための判断材料を、いくつも探しますが、一度、生まれた疑念ないし確信は変わりません。 靄のような幻想に包…

信念について

絶望の前には信念があるのですが、信念は絶望と同じく人の目を引きます。 普段、隠れているようで隠れていない信念というものに、人は心惹かれますが、それが折れた時には絶望が待っているので、信念とはなんとも困った存在です。 絶望の中にも、新たな信念…

絶望感について

絶望感というものを、否定したり、加工して別の形に置き換えたいという欲望にとらわれますが、それをそのまま受け入れることはなんとも難しいものです。 絶望を聞き、受け入れ、理解する。 その後に、何か言葉によって、解釈として投げ返さないといけないの…

治療者は何を知っているのか

カウンセラーは何を知っていて、どうして人の心を治療できるのか、ということはよく聞かれます。それはどこか、占い師は未来を当てられるのか、に似た質問のようにも聞こえるのですが、実際に何をやっているのか、が説明できると、少し話が進むのではないか…

物差しの調整

前衛的で、クリエイティブなものを目指すのなら、別かもしれませんが、治療の場で目指すことは「中道」です。黒でもなく、白でもない。あいまいで、グレーなものを目指します。ある種、常識的で、退屈なものを僕らは目指します。 精神科に来れば、何か新しい…

男女という性の違い

男女という性の違いを、どこまで驚きをもって、新鮮にとらえ続けられるのか、ということは、治療場面では大事だと言われています。 フェミニズムとかそういう難しい話ではなく、男女の違いはとても大きい、そういう素朴な事実をどこまで理解しているのかは、…

一緒になって悩む? あとは医師や治療者の権威とか

治療者と患者が一緒になって悩む、という現象があります。 どういう水準でそれが行われているのか、それは具体的なケースや場面ごとによって違うのでしょうが、治療者が患者に寄り添うといっても、同じ目線で悩み始めると、それは困ったものだなと思います。…

中学生、高校生

当院は児童精神の専門機関ではありませんが、中学生や高校生も受診に来られています。夏休みが終わり、文化祭や修学旅行、人によっては受験なども控え、本当に大変そうだなと思います。 誰にとってもきっとそうだと思うのですが、中学高校というのは決して、…

甘いものとしょっぱいもの

あまいものとしょっぱいものを交互に食べると、止まらなくなるように、YouTubeはお笑い系の動画と音楽系の動画を交互で見ます。 どのような対立意見も、互いに長所と欠点がありますが、短い意見ややりとりだけでは、相手は長所しかみなかったり、逆に欠点し…

パワハラについて

当院ではパワハラを受け、抑うつ状態(眠れない、食べられない、動悸がするなど)を苦に来院される方が多数います。 眠れない→睡眠薬、動悸がする→抗不安薬によって、ある程度症状は改善しますが、根本的な原因である「パワハラのストレス」への対処が必要で…

詩集

クリニックの待合に飾ってある、ほてはまさんの絵を見に、渋谷区神宮近くのCASE Wにて行われる、TRACING THE ROOTS―旅と手しごと―という企画展に行ってきました。 TRACING THE ROOTS 〜旅と手しごと〜 http://motherdictionary.com/roots/ 行ってから知…

ズバリ、クリニックに来れば「死にたい」気持ちは治るのか?

治ると思います。 一人の人間が、その人のために1時間を毎週準備し、待ってくれているというのは本当に尊いものだと思っています。 カウンセラーというのはそういう思いでやっていますし、僕自身もそういう思いでやっていますし、院長として彼らのサポートも…

生きづらいと感じる方もいるこの時代との向き合い方で心がけていることは?

とても変化が多く、世の中や時代について語ることが非常に困難なように思います。 皆がテレビや新聞のようなマスメディアに接する機会が減り、SNSやブログなどのスモールメディアに接する時間が増え、自分の興味や身近なものに対する情報には敏感になりまし…

具体的にどのような方が「死にたい」と感じてしまうのか?

よく言われるのが、「まじめな人」です。悪く言えば、頭が固い人。別の世界、別の可能性を想像したり、信じることが苦手な人。価値観の変動に耐えられない人…。 個人の限界を超えた力を出すためには、集団がまとまり、大きな力を生むためには、幻想を信じる…

近年、実際そのような方は多いのか少ないのか?

僕は人類史や歴史が好きなので、ある本で読んだのですが、100年や1000年単位で考えれば、自殺をする人は確実に減っているそうです。精神医学的な知識が普及し、社会制度もより民主的になっているから、だそうです。 数年単位のスパンでみても、日本の自殺者…