早稲田メンタルクリニック院長ブログ

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意識はいつも、体から離れたところに

意識はいつも、体から離れたところに
専門学校2年生Mさん(16歳、女性)の場合
彼と言い争うなど、かっとしたときに自分の意識は体から離れたところにあり、その実感がないことがあります。以前からもそうでした。小学生のころ、親に叱られているときなどは、意識が自分から離れるみたいなんです。体はそこにあるけれど、自分の意識は体の後ろの方にあって、親から叱られている自分を眺めているみたいな感じなんです。
周りから見ると、多分、ボーッとした顔に見えることでしょう。そんなときは、自分が自分でないような気もしています。現実感がないのです。
ときには、意識が飛んでしまうこともあります。後で彼から自分の行動を教えてもらってもまったく覚えていません。そういうときにも話をしたりするようですが、同じことをくりかえしたりでいつもとは違うようです。
心配した彼の勧めもあり、精神科を受診しました。「解離性障害」の可能性があると言われました。これまで言いたいことを言わずに我慢することが多かったのですが、彼と一緒のときは包み隠さず思ったことを言えるようになりました。以前よりも、安心できる時間が増えて、意識が飛ぶことも減ってきたような気がします。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/case/case11.html

 

リンクや引用フリーのため、これらのケースは厚生労働省のHPから引用しているのですが、これだとあまりにも解離性障害の本質を書いているような気がします。

診断された次の瞬間から、これまで言えなかったことが言えるようになった、というのはちょっと考えにくいと思います。

当院では言えないことを言えるようになるために、できるだけカウンセリングを受けやすい環境づくりを目指しています。