早稲田メンタルクリニック院長ブログ

早稲田メンタルクリニック院長のブログです。https://wasedamental.com

毎日、精神的に負担がかかっている方を診断していると、どのような感情が芽生えるのか?(機械的になっているのでは?)

 診察自体は淡々と進むことが多いので、機械的というと語弊がありますが、ある程度マニュアル的にこなしていきます。ポイントポイントで自分の心を開いたり、閉じたりしながら、相手の言葉に耳を傾けています。

 

 でも、それは僕らのような仕事特有のものではないと思います。

 対面式で商売をしている人と、あまり変わらないんじゃないかと思います。あるいは、自営業の人とかと。

 

 とはいいつつ、話の内容は不幸や病気についてなので、全く同じというわけではないでしょう。

 また、人生の不幸に対する怒りを、無意識的に治療者へ向けられる方もいるので、そういうときは頭では仕方がないと思いつつも、本当に参ってしまいます。もちろん、こちらのミスで不快な思いをさせてしまうこともありますので、その点は反省しないといけないと思います。

 といいつつ、それも、他の業界の人と同じような気がします。税務署やお客様センターの人の話を聞いていると、クレーム対応されている人も同じような経験は多いと思います。

 

  医師という立場があるので、僕らの方が守られていることも多いでしょう。

 心理学的な知識がある分、クレームなどに対して、正面から受け止めず、受け流す力も高いかもしれません。自分自身のストレスケアについても、知識がある分、うまく行えているかもしれません。

 

 

 もう一つ別の角度から考えると、話を聞いていて、社会正義のような気持ちも芽生えることがあります。この人の不幸は、会社の仕組みが悪いから、など考えることもあるのです。

 もっとうまくお金や人が流れるシステムができれば、世の中は楽になるのになと思うこともあります。

 

 技術の発展に比べ、世の中のシステム作りはいつも遅れがちです。

 システムに翻弄され、苦しむのが人の常であり、そういうのはどこの世界に行っても起こりうることなので、仕方がないんだなと思っています。

 

 といいつつ、わが身に降りかかると、やはりそれはそれでかなり苦しく、腹が立つのですが…。