○不安は回避によって増強される
不安を感じた時に、回避すれば、一時的に不安は落ち着きます。しかし、次に同じ問題が起きた時、以前より強い不安を感じてしまいます。回避は短期的には良い解決手段ですが、長期的には良い解決手段ではありません。不安には立ち向かっていくことが大事です。
例えば
・新幹線に乗るのと不安になるので、乗るのを避けていた。次第に飛行機、急行の電車が乗れなくなり、また各行き電車にも乗れなくなった。
→薬物治療を受けつつ、少しずつ電車に乗るようにしていった。徐々に慣れ、長い距離も乗れるようになった。
・人前に出るのが苦手で、避けていた。苦手意識が強くなり、人と話せなくなった。
・汚いものに触るのが苦手で、次第に誰かが触ったかもしれないものは触れなくなった。
・失敗することが苦手で、次第に失敗をさけるために、行動することが減った
など。
不安から逃げることもよいですが、立ち向かうことも大事です。
今回は「曝露療法」という立ち向かい方を学びましょう。
○長期中期短期目標をつくる。
長期中期短期の目標をつくりましょう。ここでは簡単に、5年後、1年度、半年後を目安に目標をたててみることにします。
例
5年後 |
薬も必要とせず、飛行機をはじめ、どんな乗り物にも乗れる
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1年後 |
薬は使いながら、飛行機もなんとか乗れる
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半年後 |
通院を続け、内服継続。急行も乗れるようになってきた。
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5年後 |
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1年後 |
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半年後 |
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○不安階層表をつくる
あなたにとって、不安なものを上位に、比較的耐えられるものを下位に書いてみてください。
例
100 |
飛行機に乗る |
80 |
新幹線で東京から博多まで行く |
60 |
新幹線で東京から大阪まで行く |
40 |
混んでいるときに急行の電車に乗る |
20 |
急行の電車に乗る |
100 |
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80 |
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60 |
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40 |
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20 |
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○曝露療法を行う
曝露療法とは、不安階層表の下位のものから身体を慣らしていき、最終的には上位のものに挑戦していくという方法です。いきなり上位からはじめてはいけません。不安に負け、自信を失う可能性があるからです。
できるだけ簡単で、不安を感じにくいものからスタートし、成功体験を重ねていくことで、上位のものを挑戦していくという、問題解決方法のひとつです。
できるだけ細かい階層表をつくり、日々のスケジュールの中に慣れのトレーニングを組み込んでいってください。