早稲田メンタルクリニック院長ブログ

早稲田メンタルクリニック院長のブログです。https://wasedamental.com

メンタルが追い込まれているときの前兆、その時の周りの対応について

 ○○みたいな人間が身近にいた時、どのように対応したらよいですか?

 そのような質問を受けることがあります。

 その○○というのは、メンタルが追い込まれている人、自殺を考えている人への対応についてです。

 

 僕自身も、これまでの人生の中でプライベートで、鬱になっていく友人を見てきています。周囲に精神科的な知識があっても、人間が集団になると、やはりゼロにはならないものです。

 

 

 

 自殺対策について、厚生労働省から「ゲートキーパー」という形で啓蒙活動がされています。

 

 

 今回、厚生労働省の「ゲートキーパー」のページを転載・引用させてもらいながら、自殺対策について説明しようと思います。こちらのページは転載可能です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000128774.html

2020/1/7

 

 

○まず、自殺しそうな人の特徴はどういうものでしょうか?

 

自殺の危険因子と防御因子
自殺の危険因子と防御因子を確認することは、自殺の危険を判断するのに役立ちます。
●危険因子(自殺につながりやすい因子)
過去の自殺企図・自傷
喪失体験
身近な者との死別体験など
苦痛な体験
いじめ、家庭問題など
職業問題・経済問題・生活問題
失業、リストラ、多重債務、生活苦、生活への困難感、不安定な日常生活、生活上
のストレスなど
精神疾患・身体疾患の罹患およびそれらに対する悩み
うつ病など精神疾患や、身体疾患での病苦など
ソーシャルサポートの欠如
支援者がいない、社会制度が活用できないなど
自殺企図手段への容易なアクセス
危険な手段を手にしている、危険な行動に及びやすい環境があるなど
自殺につながりやすい心理状態
自殺念慮、絶望感、衝動性、孤立感、悲嘆、諦め、不信感など(参照.自殺を考え
ている人の心理)
望ましくない対処行動
飲酒で紛らわす、薬物を乱用するなど
危険行動
道路に飛び出す、飛び降りようとする、自暴自棄な行動をとるなど
その他
自殺の家族歴、本人・家族・周囲から確認される危険性など
-
●防御因子(自殺を防ぐ因子)
心身の健康
心身ともに健康であること
安定した社会生活
良好な家族・対人関係、充実した生活、経済状況、地域のつながりなど
支援の存在
本人を支援してくれる人がいたり、支援組織があること
利用可能な社会制度
社会制度や法律的対応など本人が利用できる制度があること
医療や福祉などのサービス
医療や福祉サービスを活用していること
適切な対処行動
信頼できる人に相談するなど
周囲の理解
本人を理解する人がいる、偏見をもって扱われないなど
支援者の存在
本人を支援してくれる人がいたり、支援組織があること
その他
本人・家族・周囲が頼りにしているもの、本人の支えになるようなものがあるなど

引用転載:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/s4.pdf

 

○その時の心理状況はどのようなものでしょうか?

自殺を考えている人の心理
自殺の危険を抱えている人を支援するときには、傾聴することが大切です。そして、
悩む人のことを理解しようとするときに、自殺を考えている人の心理を知ることが重要
です。
自殺を考えている人の心理
①絶望感:「もうどうすることもできない」と絶望する気持ち。
②孤立感:「誰も助けてくれない」、「自分はひとりきりだ」と孤独を感じる気持ち。
③悲嘆:「悲しい」と思う気持ち。
④焦燥感:「いますぐに何とかしないといけない」と焦る気持ち。
⑤衝動性:切迫して、すぐさま自殺行動や危険行動をしかねない状態。
⑥強い苦痛感:「苦しい」、「辛い」と思う気持ち。
⑦無価値感:「生きる価値がない」、「生きる意味がない」、「自分なんかいない方いい」
と自分に価値がないと感じる気持ち。
⑧怒り:他者や社会に対して強いいきどおりを感じる気持ち。
⑨投影:自分の感じている気持ちを、まるで相手が感じているかのように考える。相
手は本人が悪いとは思っていないのにもかかわらず、「どうせ私が悪いって思って
いるんでしょ」と考える等。
⑩柔軟性がない考え方:幅広い視点で考えられず、「自殺以外に解決法はない」、「問
題は解決できない」などと考えること。
⑪否認:現実のことを認めることができない状態。
⑫将来の希望がないという見通しのなさ:「どんなことをしても何もかわらない」、「こ
の辛さはいつまでも続く」と考えること。
⑬諦め:「もうどうなってもかまわない」、「もうどうすることもできない」とあきら
めてしまうこと。
⑭解離:普段の意識状態ではなくなり、今ある現実と考えや気持ちに断絶が起きてい
る状態。「何をしたのか覚えていない」、「周りの状態に対して現実感がない」等。
⑮両価性:「生きたい」という気持ちと、「死ぬしかない」という気持ちをゆれうごく
状態。
自殺念慮:「死にたい」、「この世からいなくなりたい」など自殺するしか解決する
方法はないという考え。
時に自殺の危険性がある人が、「助けてくれなくていい」、「誰も信じられない」、「お
前に何がわかる」、「……(無言)」、「死なせてくれ」と話し、援助を拒否することがあ
ります。
しかし、支援者は、自殺を考えている人の背景にこのような心理状態がある可能性を
踏まえて対応することが大切です。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/s3.pdf

 

 

 

 

○ではどのように対応したらよいのでしょう?

こちらについても、すでに答えが載っています。

 

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/s8-1-2.pdf

 

 

こんな感じです。

いずれにせよ、やはり精神科受診を勧めるのが良いと思います。

 

TwitterYouTubeも勧めてみてください。

 

 

これも、また動画にしてみたいと思います。