6月12日 うつ病発症にウィルスの遺伝子が関与している可能性
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200611/k10012466681000.html
気になったので、近藤教授のHPの解説を読ませていただきました
http://jikeivirus.jp/hiroukouza/
要約させていただくと、
・ヒトの働きは、共存する細菌やウィルスを含めて研究すべきである。ヒトの遺伝子を研究することをヒトゲノム(この水準だとうつ病の原因ははっきりとみつけられなかった)、最近の遺伝子まで含めるとマイクロバイオーム、ウィルスまで含めるとメタゲノムという。うつ病メカニズムの発見には、メタゲノムの範囲まで広げるべきだ、というのが近藤先生の仮説だ。
・HHV6は幼少期に唾液感染するウィルスのひとつで、普段は潜伏感染(症状が出ない)している。疲労感が高まると、HHV6は再活性化され、唾液から大量に放出されるようになる。この時であっても、人体と共存するHHV6は特に悪さをしないと考えられていた。
・最近、HHV6が喉の奥にある脳の嗅覚に感染すると、SITH1という遺伝子が活性化され、細胞死を引き起こしていることが分かった。脳内ではストレス反応が高まっていることが分かり、これがうつ病発症に関係しているのではないか、と考えられるようになった。
ちなみに
生理的疲労は2週間ほどの休息で回復する。唾液中のHHV6の数で測定可能
病的疲労は急速によっても回復しない。唾液中のHHV6も増えていない。うつ病や睡眠時無呼吸症候群、筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群などで認められる
疲労の原因物質は「リン酸化eIF2α」と呼ばれるもので、これが身体にダメージを与えたり、脳に炎症性サイトカインを放出させ、疲労感を感じさせる
・この物質にHHV6が反応し、再活性化して体外に脱出しようとする
・脱リン酸化のためには軽い運動が有効と言われている
活性型SITH1の血中抗体価を図ることで
・健常者 あまり発現していない
・初期うつ病 少し発現している
・うつ病 多く発現している
がわかる。そのため、今後は初期うつ病を見つける指標として有効だと考えられている
もちろん、これらはすべて当院では測定できません!