早稲田メンタルクリニック院長

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精神科の薬について

精神科の薬について

向精神薬
精神科の薬を「向精神薬」と呼びます。
向精神薬は大きく分けると、おおむね以下の通りです。
抗精神病薬
抗うつ薬
気分安定薬・抗てんかん
抗不安薬睡眠薬
⑤ その他(抗認知症薬)

抗精神病薬
 抗精神病薬は主にドーパミンを遮断する薬で、統合失調症の患者さんに処方されます。副作用として、飲むとけだるく、鎮静作用があるため、興奮している人や暴れている人、眠れない人にも処方することがあります。抑うつ状態の人に抗精神病薬を少量加えると、鬱が良くなることもあるので、そのような処方の仕方もあります。
 抗精神病薬
① 定型
② 非定型
に分けることができます。
おおざっぱに言えば、定型に属するものは古いタイプの抗精神病薬で、鎮静作用が強く、またパーキンソン症状などの副作用も強いです。例:ハロペリドール
非定型とよばれるものは、定型よりも新しいタイプの薬で、副作用は少ないです。現代ではほとんど非定型の薬を使っています。
非定型の薬は
① SDA:例:リスペリドンなど
② MARTA:マルタと呼ぶ。例:オランザピン、クエチアピンなど(クエチアピンはドパミン遮断作用は弱いが、抗うつ効果が強く、様々な使い方をします)
DPAドーパミン受動態部分作動薬、アリピプラゾール(エビリファイ)など。少量だと抗うつ効果、中等量以上で抗精神病効果がある、不思議な薬。アカシジア(足がむずむずすること)になりやすく、益田はあまり使わない。

抗うつ薬
 抗うつ薬は文字通り、うつ病の人に処方します。躁うつ病の人に処方すると、躁状態になる恐れがあるため、原則処方はしません。また若い人に処方すると自殺のリスクが上がるため、慎重に投与します。強迫性障害の人に効果があったり、パニック障害の人に効果が認められたりします。が、効果作用まで2週間ほど時間がかかり、また毎日飲まないと効果がないため、軽症例にはあまり使いません。抗うつ薬それ自体にイライラさせる作用があり、神経症に対しても、あまり使いません。
 抗うつ薬についても、三環系とSSRI/SNRIに分けることができます。SSRI/SNRIの方が新しく、副作用も少ないです。
① 三環系抗うつ薬アナフラニールなど
SSRIパキシルジェイゾロフトなど
SNRIサインバルタ(鎮痛作用もある)など
④ NaSSA(ナッサ):リフレックスなど。抗うつ効果は高いが、鎮静作用が強く、眠気が出る。

気分安定薬・抗てんかん薬】
 気分安定薬躁うつ病の人に処方します。抗てんかん薬由来のものが多いので、一緒にまとめました。てんかんの人もたまに来ています。全般性発作にはバルプロ酸、部分発作にはラモトリギン、イーケプラが基本です。
 血中濃度を測らなくてはならないのも、このグループの特徴です。
                          躁 うつ
炭酸リチウム     〇 〇 血中濃度を測る
バルプロ酸        ◎ × 血中濃度を測る
ラモトリギン      × ◎ 副作用として皮膚炎に注意
カルバマゼピン ◎ × 古いタイプで、副作用も多いので使わない

抗不安薬睡眠薬
 主にベンゾジアゼピン系の薬物にあたり、リラックス作用・睡眠作用があります。お酒に少し似ていて、依存性があります(が、お酒ほどはありません)。

【その他、抗認知症薬】
 認知症の薬は少なく
コリンエステラーゼ阻害薬:アリセプト、レミニール、イクセロンパッチ
② NMDA受容体アンタゴニスト:メマリー
と4種類あります。

 精神科でも漢方を使いますが、エビデンスがあるものが少ない印象があります。
・抑肝散:もともと夜泣きの子供に出したもので、認知症の不安や神経症の人に処方することがある。
・加味逍遙散:神経症の人が飲んでいる薬、根拠は不明。