ナシアガミーの「現代精神医学原論」を最近また読み直していますが、とても面白く、勉強になることが多いです。
カウンセリング技法と倫理観の関係性を指摘し、治療者が高い倫理観を持ち、自らの倫理観を自覚することの重要性を説いています。
功利主義でもカントの義務論でもなく、アリストテレス的な「徳の理論」こそ、治療者という専門家としての倫理観にかなっていると、僕個人は思います。
「美徳は子供たちや若年成人に教えられ、成人期を通じて実践され、最終的には倫理的な人生を導くことになる。アリストテレスは『二コマコス倫理学』の中でそのように述べている。美徳は学習され習慣として実践されなければならないということをアリストテレスは強調した。それらは生得的なものでもなければ、塾講することで発見されるものでもないのである。美徳は、理論や言葉を通じてではなく実践を通じて学習される」
なので、臨床実践を重視しなければならないのではないか、と常々考えています。