カウンセリングではどのようなことを話せばいいのですか、とカウンセリングをはじめて受けられる方にはよく聞かれるのですが、「思いついたこと」を自由に話してもらえれば、それでいい、という風に答えています。
自由に話されたものを聞きながら、治療者は患者理解に必要な現実的な情報、その人の輪郭を知るための情報を相槌とともに適宜質問します。「兄弟はいるのか?」などです。
治療者の質問をきっかけに、患者さんは様々なイメージが頭に浮かび、それについて話し始めることもあるでしょう。
カウンセリングというのはそういう風に進んでいきます。
現実的な問題があり、それを話す場がなく、解決策を求めてくる人も多数います。夫婦の問題や親子の問題、パワハラからのPTSD、職場の人間関係、発達障害の不適応…。
現実的な、現在進行形の問題について話していても、やはり、過去の出来事にふれたり、内省深めていかねばならない場面も訪れることになるでしょう。
治療者は患者さんが目を背けた時に、そちらの道筋も提案します。
現実的な問題について話し合うのか、それとも自己理解を深めるための内省を進めるのか。
どちらも必要ですが、割合としては7:3ぐらいになるのかもしれません。あくまで今の自分の臨床感覚ですが。